私が2013年11月11日に個人事業主として開業して丸4年、2017年11月12日より5年目に突入しました。これまでの歩みを振り返り、何をしてきたか何を得てきたか、何を失い犠牲にしてきたか、今後フリーランサーとしてどうしていくのかどこを目指すのか、心の棚卸しをして総括してみたいと思います。
第2話は最初のおおきな挫折の後から、これまでのフリーランスとしてどういう活動をしてきたかを振り返ります。
大きな挫折から立ち直るために
前回の記事で書いたように、フリーランスとして致命的で大きな挫折を経験しました。
正直この頃の自分はビビっていました。仕事をするたびに同じようなことになったらどうしよう、また文句を言われたらどうしようと常に考えていました。
このまま同じように仕事をしていたら失敗すると思って、自分ひとりで仕事を得ることに限界を感じていました。
たまたまエージェントから連絡が来る
会社員時代からお世話になっていた転職エージェント、クリーク・アンド・リバーの営業の方からたまたま連絡がきました。
そして今の現状を伝えたところ、私に丁度よい案件があるからやってみないかとお話をいただきます。
会社員として戻るつもりはなく、フリーとして続けたい意思は強かったので、その中で提案してくれたのが、「業務委託契約」でした。
大手のコスメ会社の運用案件に参画
3ヶ月限定の常駐型の業務委託契約でした。はたから見れば世間一般敵な派遣常駐型です。1日8時間の月〜金常駐が条件です。
私は心の傷が癒えていなかったのと、その会社の報酬がよかったので、それに飛びつき3ヶ月の業務委託契約を結びます。
業務委託と派遣の違いとしては、まず時給制ではなく案件毎として報酬をいただきます。加えて社会保険等の面倒を一切見てもらわないので報酬がかなり高いです。
すでに自分で健康保険や税金処理を進めていたので、報酬だけいただければ何の問題もありませんでした。
その常駐先のメンバーも皆優しい方で、中には元キノトロープのアートディレクターの方もいて、デザインワークの深い指南をいただけて嬉しかったです。
フリーとしての仕事に対する責任を再度鍛え直す
再び現場に入って仕事をする中で、時に難しい課題解決も求められます。
ここで安請け合いをするか、きっぱり断るかで自分の立ち位置を明確にできます。その会社で今後も契約を続ける立場であれば依頼を受けるかもしれません。
短期スポット依頼で参画していた当時は、それ以外に時間を割くと自分の利益(報酬)が赤字になってしまうと感じたため難解な依頼は断りました。
できないことを見切り発車で安請けしてしまったために前回は挫折したので、できないものはできないとはっきりと相手に伝わる言い方で断るようにしています。
ですが、このポジションを続けると相手に対する印象も良くならないので、バランスを見て手伝えることは手伝ったり自分の売り込みをしっかりコントロールしなくてはいけません。
このときタイムイズマネーの感覚をしっかりと持つことが重要だと気づき、物事の順序や優先順位はしっかりと決めてから行動するようにしています。
現場に常駐するという形のフリーランス
その時期はフリーランスに向けた業務委託案件を豊富に扱うエージェントが増えてきた時代でもあり、クリーク・アンド・リバーが終了したあとも、エージェントから次々お声がけいただき、その中でレバレジーズから紹介いただいた企業へ常駐しました。
ガチガチのソシャゲ会社で広告マーケの部署を経験
東京の企業の中でもかなり興味のあった会社が次の常駐先です。当時はAppStoreゲームランキングのトップ10に3つくらい常にランキングされているゲーム企業で、その中の広告マーケの部署で、広告用のLPやゲーム公式サイトの制作をいくつもやらせていただきました。
ときにぶっとんだアクションを実装したページ制作の依頼もきましたが、とにかく制作が楽しかったですし、大きな週間誌の背表紙広告を任せていただきました。
自分の制作物がコンビニに並んだりするのを見てとてもやりがいを感じましたし、会社員じゃなくても技術的な評価で必要とされることが単純に嬉しかったです。
この会社の契約も半年縛りのため任期満了にて終了。
報酬もしっかりともらえていたので、大きな不満はありませんでしたが、常駐型を転々とする疲れを感じていました。
彼女との結婚を決意、東京を離れることに
前項の常駐案件が終わる頃、彼女と結婚することになり翌年中には東京から大阪に引っ越すことが決まりました。
しかし仕事はどうするのか、大阪が大都市とはいえ東京ほどの案件がないことはエージェントからも聞かされていました。
そこで東京の会社で在宅ワーク可能な案件に完全に絞って探してみました。
運命の出会いと言うべき企業と出会う
はい、そのタイミングで今現在も取引をさせていただきている企業に出会いました。
以前の職場の友人がフロントエンドの人材を探している会社があるけどどう?と話してくれて、面談に行って話をきいてみるとその会社は営業チーム以外は皆在宅ワークというじゃありませんか。
全国バラバラで海外に住んでいる方もいらっしゃいます。
作業の内容も特に問題なく報酬面でも希望額を受け入れてもらい、この会社の仕事をすることを決意。
とりあえず会社の内情を覚えたりツールを覚えたりするために、東京にいる残り半年ほどの期間はその会社へ通いました。
在宅ワークが可能な環境をしっかり整える
フリーランスの方で意外となあなあになりがちなのが、在宅ワークができる環境をしっかりと整えること。
会社に行けば作業PCがありましたが、フリーランスは全国どこでも自前のPC一つで作業が出来なくてはいけません。
その一つが自宅であり、コワーキングスペースであり、インキュベーションオフィスです。
もっと簡単にいうと、インターネット環境があるところであればどこでも仕事ができるということです。
大阪に越してきてから、天気のいい日に川沿いの土手でPocket WiFiで仕事をしたこともあります。
新幹線の中でちょこっと作業をしたこともあります。
今お世話になっている企業はそういったインフラをしっかりと整えてくださっており、メンバーみんなが作業しやすい環境を少しづつアップデートしているので、とてもありがたいですね。
コミュニケーションや技術向上の努力はかかさない
いくら在宅ワークに切り替わったといっても、メンバーとのコミュニケーションはかかさないようにしています。
東京オフィスの社内イベントがあれば新幹線で駆けつけますし、新しい技術発表やセミナーには積極的に参加します。
HTML5カンファレンスも毎年参加してますよ。
技術革新は日進月歩で止まらない
私はフロントエンドエンジニアとして仕事をしています。
単純なソースコードでも、ブラウザの技術革新やミドルウェアの導入などでさらに簡単な記述ができたり、むしろいらなくなったり、毎年のように新しい技術がリリースされます。
全てを追いかけるのは難しいですが、Twitterや有名な制作会社の技術者ブログ、あらゆるTIPSブログを漁り、現場で使える技術は全て即実行しています。
ときに社内からリジェクトをくらいますが、自分はサイト制作に命をかけてやってきましたのでこれしきではヘコタレません。
あと新しい技術を覚えて使うのって楽しいですしね。
フリーランスこそコミュニケーション能力が必要
1つの依頼でも解釈を間違えればミスになります。顔を見ないでメールだけで交わす作業、チャットだけであいまいに伝えられる伝言。
それをクリティカルに打ち返すのは相当な慣れと時間が必要です。
わからないこと、疑問、質問は遠慮なくしましょう。むしろしないとダメです。
声なき者は存在感がどんどん消えます。
チャットに名前が登場しない、メールのCCに入れてもらえない、これらがもたらすその先の終点は契約終了です。
必要とされる人材は存在感があります。
誰に依頼すればいいんだっけ?というときにパッと頭に浮かびます。
私はこれまでの経験からフリーランスこそコミュニケーション能力が求められると自負していますし、そういう人材の高みを目指してコミュニケーションを研究するようにしています。
まとめ
フリーランスは自由であり孤独です。
皆さんはどのようなフリーランス人生を歩んでいるでしょうか。
いまこの経験を経て、改めてフリーランス交流会やセミナーに行ってみたいな、むしろレベルアップしたランサーたちはどういう高みにいるのだろうかお話をしてみたいです。
次回は自分自身の今後のフリーランスの活動についてお話します!
それでは